高度な技術を使った木地挽物
石川県山中豊かな自然と歴史を誇り、温泉嫌いの松尾芭蕉が愛してやまず句を残した山中温泉。
日本を代表する伝統文化が今もなお息づくまちは、温泉と共に「挽きの山中」と言われる有数の木地挽物産地として発展します。
この地で作られた応量器。
修行僧が使用する食器で、一番大きな器に粥を受け、以下それぞれ定められた器に汁・香菜(漬物)・副菜を受けます。粥を受ける器は釈迦の頂骨であるとされ、粗略に扱うことは厳禁で、食事のほかに托鉢の際に布施を受ける器としても用いられます。
摩耗に強く古くから多用されてきた欅を使用。
木目が美しく磨くと艶やかな光沢を放つ特性を持ちながら、伐採から乾燥する間、大きく反るため何年も寝かせないと加工が難しい側面も同時に持ち合せる木材です。
山中の挽物技術は、年月をかけて進歩し、洗練され、今に受け継がれてきました。極限まで薄く挽かれた美しい形状は職人自ら鍛造した刃物の拘りと卓越した轆轤技術が詰まった器です。
料理の量に応じて自由に使用でき収納も一つにまとまり、日本の伝統的な食習慣と伝統工芸品を現代の食卓でも体感できます。