変化する漆器
石川県輪島山裾がそのまま海に落ち込む能登半島は、昔から
素地となるケヤキが豊富で、「輪島地の粉」と呼ばれる地元の珪藻土を使い堅牢性を高め、高い技術の蓄積で漆器の産地となります。
その後、金箔を用いた技法の開発や、京都の蒔絵技法を導入するなど高級漆器として全国にその名を博することとなりました。
「輪島塗・ぬり工房楽」は漆器の風情を日常で感じて欲しいとの想いから、様々な漆の表現に挑戦し、従来にはなかった新しい技術と伝統技法の融合で「練乾漆」が誕生します。
素地に麻布を用い、自家製米糊・生漆などと、地の粉を独自配合で練り合わせ漆は、堅牢で保冷・保温性に優れ、海外環境による乾燥にも耐性があります。
主に手で練り上げた造形は、岩肌のようなに荒々しく、経年変化により古木が苔むすような表情はふたつと同じものがない、自分だけの艶に育ちます。